ご飯大盛りを食べた直後、お腹がパンパンで「うわ、今日の体重ヤバいかも」と覚悟して翌朝乗ると、意外と普通の数字が出る。
それどころか、お寿司10貫食べた翌朝のほうが軽いことすらある。
なんでこうなるのか。理由は、糖質を食べたときに体内で起きる グリコーゲンの動き にある。
糖質を食べたあとの4ステップ
糖質を食べると、体内ではこういう順番で処理が進む。
- 消化(数十分)でブドウ糖に分解される
- 血液に吸収されて血糖値が上がる
- インスリンが分泌され、グリコーゲンとして肝臓・筋肉に貯蔵される
- グリコーゲン1gに対して、水3〜4gが結合する
つまり、糖質を食べることは 自動的に水分も体内に取り込むこと を意味する。
水分の重さ、脂肪じゃない
ここが重要なポイントだ。グリコーゲンと結合水は、脂肪ではない。
- グリコーゲンは一時的なエネルギー貯蔵
- 数時間〜1日で消費されていく
- 結合していた水分も、グリコーゲンが減れば一緒に放出される
- 翌朝にはほぼ元に戻る
「食後にお腹パンパン」の正体を分解すると、こうなる。
- 胃の中の食べ物の物理的な重さ(数時間で消化される)
- 一時的なグリコーゲンと結合水(24時間以内に消費)
- これらは全部、24時間以内に消える
脂肪化される量は、もっとずっと少ない。
数字で見るグリコーゲン結合水

研究データから、具体的な数字を見てみよう。
- グリコーゲン1gに、水分3〜4gが結合する(PMID 6811511)
- 白米茶碗1杯(150g、糖質55g)→ グリコーゲン化で水分165〜220g保持
- お寿司10貫(糖質約60g)→ 水分240gほどを一時保持
つまり「ご飯1杯で200g前後の水分が体に入ってくる」と言える。これは脂肪じゃない。一時的な水だ。
なぜ翌朝には戻るのか
睡眠中の8時間で、体からこれだけのものが出ていく。
- CO2(呼気で炭素として)約70g
- 不感蒸泄(呼気の水蒸気)約200ml
- 汗 約100〜500ml
- 朝のトイレ 約200〜400ml
合計600〜1200gが、寝ている間に出ていく。逆に、寝ている間は何も体に入ってこない。食事ゼロ、水分摂取ゼロ。
入力ゼロ × 出力大の状態が8時間続くから、朝が一日で一番軽くなる。
その間にグリコーゲンも消費され、結合水も一緒に放出される。だから「夜のお腹パンパン」は翌朝にはほぼ戻っているわけだ。
白米100gの脂肪化はたった2g
ここまで読んでわかるように、白米100gを食べても脂肪として永久保存されるのは 約2g だけ。残り98gは、CO2、水、便、グリコーゲン結合水として体外に出ていく。
詳しいメカニズムは「食べた糖質はどこへ消える?質量保存の法則で見る食後72時間タイムライン」で解説している。
夜の体重計、見ない方がいい

夜の体重は、ほぼ食べ物の物理的重量とグリコーゲン結合水の合算でしかない。これに一喜一憂しても意味がない。
体重を測るなら朝1回。起床後・トイレ後・食事前。これが一日で一番「純粋な体重」に近い。
「夜は重い、朝は軽い」は誰にでも起きる現象だ。これは太ったり痩せたりしているのではなく、水分が出入りしているだけ。
メカニズムを知っていれば、夜の体重計に振り回されずに済む。

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