糖質制限やケトを始めた人がよく言うのが「初日で1.5kgも落ちた!」という喜びの声だ。
でも残念ながら、その1.5kgはほぼ脂肪ではない。グリコーゲンと一緒に蓄えられていた水分だ。この仕組みを知っておくと、ダイエット中に体重計の数字へ一喜一憂しなくなる。
グリコーゲンは「糖の貯金箱」
ごはんやパンを食べて取り込んだブドウ糖は、すぐ使う分以外は貯金される。その貯金の形がグリコーゲンだ。
グリコーゲンは主に2か所に蓄えられる。
- 肝臓に約100g(血糖値の維持に使う)
- 筋肉に約400g(運動のエネルギーに使う)
合わせて最大500gほど。これは「すぐ使える中期エネルギー」として、空腹時や運動時に少しずつブドウ糖に戻して使われる。
グリコーゲン1gに、水は3〜4g

ここがダイエットで一番大事なポイント。グリコーゲンは、1gあたり約3〜4gの水と結合した状態で体に蓄えられる(PubMed: PMID 6811511)。
つまりグリコーゲンが満タンの500gなら、それに結びついた水分は1.5〜2kgにもなる。糖質をたっぷり食べている人は、この水分をいつも体に抱えている状態だ。
ところが糖質を抜くと、貯金を使う必要が出てグリコーゲンが減る。すると道連れにしていた水分も一緒に抜けていく。これが「初日でストンと落ちる体重」の正体だ。
だから最初の数日の体重減で喜びすぎない
| 期間 | 主に減っているもの |
|---|---|
| 最初の2〜3日 | グリコーゲンの結合水(水分) |
| 1週間以降 | ようやく脂肪が中心に |
最初の急降下は水分なので、脂肪が一気に落ちたわけではない。逆に、ここで「やった、痩せた」と糖質を戻すと、グリコーゲンと水分が戻って体重もすぐ戻る。これが「糖質制限はリバウンドする」と言われる一因でもある。
食べた糖質が体の中をどうめぐるかは「食べた糖質はどこへ消える?食後72時間タイムライン」で詳しく見ている。
停滞期の正体もグリコーゲン
順調に減っていた体重が、ある日からピタッと止まる「停滞期」。このときも犯人はグリコーゲンと水分のことが多い。
脂肪は毎日少しずつ減っているのに、その分だけ水分が一時的に増えて、体重計の上では相殺されてしまう。脂肪が減っていないわけではないのに、数字だけ止まって見える。だから停滞期に焦って食事を減らしすぎる必要はない。
まとめ:体重計の数字=脂肪ではない
- グリコーゲンは肝臓100g・筋肉400gに蓄えられる糖の貯金
- 1gにつき水3〜4gが結合している
- 糖質を抜くとまず水分が抜ける=初日の急降下の正体
- 脂肪が本格的に減るのは1週間以降
- 停滞期も水分の出入りで説明できることが多い
体重計の数字は、脂肪・水分・グリコーゲン・食べ物の中身が全部混ざった合計だ。数字が動かない日があっても、脂肪は静かに減っている。グリコーゲンの仕組みを知っていれば、落ち着いて続けられる。

コメント